横浜は子育てに優しくない?

先月の横浜市長選挙の翌日にこんな記事がYahoo!ニュースにありました。


headlines.yahoo.co.jp


昼食時間が15分というのはたしかにやや短い気もしますが、実態はどうなんでしょうね。

それよりも気になったのは、コメント欄。

昼食時間15分に対する是非のほか、横浜市行政に対する批判的な投稿も多く目につきました。


内容は


「子育て面では隣の川崎市のほうが格段に充実している」

横浜市は子供にやさしくない。医療費も年収制限あってほとんどの人が自費」

「横浜は保育園や給食など働く母親に厳しい」

「ここ数年の横浜市の行政のイメージは最悪」

「横浜は住みたくないなあ」

「田舎に住む私には都会のイメージで東京と並ぶ横浜だけど、近年マイナスイメージが強くなっている気がする」

「子を持つ親は林さんには絶対投票していない。投票したのは人口の多いジジババばかり。いい加減変えていかないと若い世代が横浜に住まなくなる」

「医療費は年収制限を低くしてほぼ実費。政令指定都市では年収制限をしているのは横浜のみ。保育園代も破格に高い」


などなど。

どのコメントも圧倒的に「そう思う」のボタンが押されています。

政令指定都市で小児医療費助成に年収制限を設けているのは本当に横浜市だけなのでしょうか。

隣の川崎市も年収制限があったように思いますけどね。


こういうコメント欄=世論ではないと思いますし、信用できないものもたくさん含まれている気がしますが、

子育てに優しいかどうかというのは、給食の有無や小児医療費助成が充実しているかどうか、このあたりがやはりポイントになっているんだなあと思いました。



最近よくシルバー民主主義という言葉を見聞きします。

政治が若い世代、子育て世代よりも、高齢者を優遇しているという批判がありますが、私が政治家でも選挙で勝つことを考えたら、高齢者に受けのいいことを言ったりやったりするでしょうね。

少子高齢化有権者に占める高齢者の割合が増え、そのうえ投票率も高齢者のほうが高いのですから、これは今の状況が変わらない限りはしょうがない気がします。

横浜市では給食、小児医療費助成については随分前から問題にされていたように思います。最近になってハマ弁が始まったり、医療費も対象が拡大されたりで、やや改善されてきたような印象もありますが、東京などに比べるとまだ大きな差があるのは確かでしょうね。

お金に余裕があれば、給食だろうが、小児医療費助成だろうが、子育てに優しい施策も十分にやれるのでしょうが、お金がないんですからどうにもなりません。

横浜市は基本的に昼夜間人口比率の低いベッドタウンですから、企業からの法人税収が少なく、財政的にはなかなか厳しい状況が続いています。

だから、企業を誘致して法人税収を増やそうということで、その成果が、最近のみなとみらいの状況なのでしょうが、どれほど財政が改善していくのかはわかりませんね。

高齢者に使っているお金をもっと若い世代、子育て世代に回せという論調もありますが、どうなんでしょうか。

一見、高齢者を優遇しているように見えても、国や自治体が予算を割いて高齢者をフォローしてくれているから、その子供である現役世代の負担が軽減され、働きやすかったり、子育てしやすかったりという部分もあるはずですからね。

限られた予算を高齢者と子育て世代にどう配分していくのかというのは、とても難しい問題に思えますね。



横浜は子育てに優しくないのでしょうか。

都内の場合、生まれてから中学校卒業までの15年間は医療費が無料となるところが多いですが、仮に子供の病院代が毎月3000円かかったとして、15年間で54万円のお金が浮くことになります。子供が2人なら100万円ですね。

これだけ見たら都内に住んだ方がお得となりますが、都内は横浜に比べて、住居費が高いです。不動産を買うのも借りるのも横浜より遥かに高いですね。

マンションを買う場合、横浜で5000万円するマンションを都内で買おうとしたら6000万円、7000万円になります。もっとかな?

いずれにせよ子供の医療費の100万円などどうでもよくなる価格差ですね。したがって総合的な生活コストを考えれば、横浜のほうが遥かに安くなります。

となると、同じ収入であれば、その分子供のために使えるお金は多くなるので、横浜に住んだ方が子育てには優しい・・・

という考え方もできるのではないでしょうか?

家計にゆとりができるため、共働きをせずとも暮らすことができ、せめて小学校に上がるまではママ(パパ)が子供と一緒にいてあげられる・・・

ということができれば子供の教育を考えてもメリットは大きいと思います。

裕福な高齢者

青葉区は郊外の住宅地にもかかわらず美味しいお店、お洒落なお店が多いですね。

うかい亭などは有名です。パン屋、ケーキ屋なども多くあるように感じますが、やはり経済的にゆとりのある住民が多いということなのでしょうね。

といっても、子育て中の家庭などは家のローンを抱え、子供の教育費もかかりますし、意外と余裕のない暮らしをしていたり?

青葉区の豊富なお店の数々を支えているのは、やはり裕福なおじさま、おばさまたちの購買力による部分が大きいのかな。


最近どこの街へ行っても、パン屋に入ると年配の女性のお客さんが多いなあと感じます。

現役世代の共働きが増え、その一方で高齢者の人口はどんどん増えているわけですから、日中その地域に存在するのは大半が高齢者という状況になってきているのでしょう。

ということは、平日の昼間に年配のお客さんが買いに来てくれるから、個人店などは潰れずやっていけてる状況があるのかもしれません。

この頃、高齢者を疎ましく感じる人が増えている気がしますが、もしかしたら、現役世代が土曜日、日曜日に近所のお気に入りのお店で買い物できるのは、ご年配の方々が平日にそのお店で買い物してくれているからかもしれないですね。

地域のお店を支える高齢者の存在・・・でも、ある程度経済的に余裕のある高齢者じゃないとだめですね。パンはスーパーで安いパンを買います、という高齢者ばかりの地域では個人店のパン屋さんは厳しそうです。

日本の少子高齢化、人口減少の流れはもはや止まらないと思います。これからは今以上にどこもかしこも高齢者だらけになっていくわけですが、そうなったら今度はいかに裕福で購買力のある高齢者に住んでもらうか、住み続けてもらうかというのが街の豊かさを維持していくうえで大事になってくる気がします。

人の平均寿命は医療の進歩により2045年までに100歳になると言われているそうです。100歳というと、今60歳70歳の人が30年後にようやく平均寿命に達し始めるわけですが、そうなると高齢者の存在感は今よりも格段に増していきます。

青葉区などは住民の平均所得が高いことが有名ですが、そんなことを考えると、今後高齢化が進んでも他の郊外住宅地エリアに比べてお店がどんどん潰れていくような事態にはなりにくいのかもしれませんね。


裕福な高齢者の魅力は購買力だけじゃないですね。良識があったり、マナーが良かったり、近所付き合いなどもスマートだったりする傾向があるように思います(あくまで傾向として)。

どうせ日本中どこへ行っても高齢者ばかりになるなら、裕福な高齢者が多くいる街のほうが住みやすい、暮らしやすい・・・これからの超高齢化社会、住むところを考えるときにはそんなことが重要視されるようになってきたりもするのかな。

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郊外ベッドタウンの最前線エリア

前記事の表に、麻生区多摩区幸区、川崎区を付け足して補完してみました。

川崎市全7区と横浜市北東部に位置する青葉区都筑区港北区鶴見区・・・郊外ベッドタウンの最前線エリア(神奈川県の)ですね。


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麻生区多摩区小田急線沿線です。多摩区多摩川に沿ってJR南武線も走っていますね。

麻生区も計画的に開発されてきたエリアですが、平成22年からは社会増加数が落ちています。多摩区も平成22年から5年間転出超過が続きました。多摩区小田急線で麻生区よりも都心側となりますが、麻生区よりも社会増加数が弱い状態がずっと続いています。田園都市線などは平成18年頃からは青葉区<宮前区<高津区と都心側のほうが社会増加が強くなってきていますね。多摩区南武線沿線こそ平坦なエリアですが、小田急線沿線は結構な丘陵地でアップダウンが激しい印象です。そうしたことが関係しているのでしょうか。

幸区、川崎区は平成11、12年までは転出超過が続いていましたが、そこから増加に転じ、今日まで社会増加数の強い状態が続いています。中原区鶴見区もだいたい同じ時期から社会増加数を増やし始めています。この時期からなのでしょうかね、京浜エリア、多摩川下流エリアで工場などの閉鎖や移転が相次ぎ、その跡地に続々とマンションが建ち始めたのは。

近年、川崎市の人口増加が凄いですが、社会増加数の大半を稼いでるのは市の東側となる高津区~川崎区であることがわかります。横浜市の人口増加を牽引している鶴見区港北区も同じエリアになります。たしかにこれら京浜エリア、多摩川下流エリアは都心部や横浜方面、それから羽田空港や新幹線の品川駅、新横浜駅にもアクセスしやすい利便性の高いエリアです。また土地も平坦ですから住みやすく感じられるのだと思います。そのかわり、これらのエリア、地盤は良くないですよね。いつ大地震が起きてもおかしくないと言われる時代に、地盤の良くないエリアにどんどん人が集まっている状況ですが、あまり問題にされていません。大丈夫なんですかね。


www.j-shis.bosai.go.jp


上のサイトで表層地盤のMAPを見ると、高津区~川崎区、鶴見区港北区はほとんどが赤い色で表示されています。地震で揺れやすい、弱い地盤ですね。微地形区分では後輩湿地、三角州・海岸低地が多く、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率も80%以上の場所がとても多いです。利便性は高いですが、地震のリスクも高いということですね。

一方、麻生区青葉区は微地形区分では丘陵と表示される場所が多く、同じ震度6弱以上の確率も20%台~と低い場所が多いです。大地震は必ずやってくるわけですから、公共の利益を考えれば、むしろ麻生区青葉区のような地盤の強いエリアのほうに人の移動が集まっていくのが理想かと思いますが、今は利便性が優先される時代ですからね。デベロッパーも売りやすいエリアを開発しているということなのでしょう。

青葉区なども決して利便性が低いということではないですね。都心方面はもちろん、横浜方面に行くのもあざみ野駅から市営地下鉄ブルーラインがありますし、新幹線の新横浜駅も遠くないです。羽田空港へもたまプラーザからリムジンバスが出ているので気軽でしょうね。また、10年後の2027年にはリニア新幹線が開業を予定していますが、リニア停車駅の橋本駅へは青葉区辺りからだと割と近くて30分ほどでしょうか。市営地下鉄ブルーライン新百合ヶ丘駅までの延伸の可能性もありますし、車のほうでは横浜環状北西線も開通を控えていたりします。


kenplatz.nikkeibp.co.jp


いつの間にか2020年の開通を目指すことになっているんですね。こうして見ると青葉区もまだまだ便利になりそうな有望なエリアと言えそうで、近い将来社会増加数が再び増えてくることがあるかもしれません。

横浜市営地下鉄が延伸したら恩恵が大きいのは麻生区のほうですかね。現状では麻生区の辺りから横浜方面は出にくいですが、地下鉄が延伸すれば新百合ヶ丘から横浜まで一本です。所要時間は40分ほどでしょうか。麻生区はリニア橋本駅へもより近いですし、青葉区同様まだこれから将来性を感じます。

都心方面、横浜方面、新幹線の新横浜、羽田空港、リニア橋本とバランスよくどこへでもアクセスしやすく、そのうえ地盤が良い、あとは郊外住宅地としては美味しいお店も多かったりしますね。ここしばらくは都内や京浜エリア、多摩川下流エリアに人の流れが向かっていますが、行き過ぎれば反動があるのが世の常です。麻生区青葉区あたりの郊外住宅地が住みやすい街として再び注目される時代がやって来てもおかしくないのかもしれません。

港北区、青葉区、戸塚区の人口動態、中原区(武蔵小杉)台頭の影響

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つづき


港北区・・・社会増加数は平成20~22年にガクッと落ちましたが、東横線副都心線直通の効果なのか、盛り返していますね。現在、港北区の自然増加数は1300人ほどで、市内で最も多くなっています。また10年前からの自然増加数の減少幅も小さいですね。社会増加をキープしていること、なかでもこれから子供を生もうという若い世帯の転入が割合として多いのかもしれません。なぜなんでしょう、東横線の人気ということなんでしょうか。東横線は都心に勤務する人だけでなく、横浜方面に勤務する人も沿線に抱えることができますね。その点では鶴見区も同じです。ここ数年の横浜市の人口増加をけん引している港北区鶴見区ですが、横浜市内で最も都心に近く、都心と横浜どちらにもアクセスが良いという共通点があります。今はまだ勢いを感じますが、この両区の人口動態が弱くなってくると横浜市も本格的な人口減少に入っていくのかもしれません。


青葉区・・・この10年の社会増加数はあまり多くなく、自然増加数も減少傾向です。10年前は自然増加数が市内トップで1600人もありました。ということは平成18年より前に社会増加数が多かった時期があることが想像できますね。青葉区グリーンライン開業の前年である平成19年、そして平成20年と社会増加数がマイナスまで落ちましたが、それ以降も都筑区のほうに需要を取られている部分がある気がします。青葉区都筑区は似ています。緑が豊富で、区画の整った住宅地。平均所得が高く、教育意識のたしかな家庭が多いことも挙げられます。都心までの通勤時間も同じくらいです。両区とも住環境や教育環境を重視したいと考える子育て層に人気があることが想像できますが、グリーンライン沿線という選択肢が増えた分だけ青葉区の需要は減った可能性もありそうです。


戸塚区・・・平成23年から転出超過が3年続くなど、近年は社会増加数があまり強くないですね。自然増加数も平成18年は1000人を超えていましたが、2年前よりマイナスとなっており、平成23、24年は人口減少となっています。が、隣接する泉区港南区栄区に比べれば、人口動態の弱まりは遅く、金沢区などを見ても横浜市南部の中では健闘していると言えます。なぜでしょう。JR東海道線横須賀線が走っており、都心部への距離の割には所要時間が短いという利便性が理由としてあるように思います。どの区にも言えますが、今後はますます自然増加数のマイナスが大きくなっていくでしょうから、そのマイナスを社会増加数で補えなければ、人口減少になっていくということですね。



港北区青葉区とその周辺の行政区の社会増加数を平成7年まで遡ってみました。


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こうするとまた色々と見えてくることがありますね。青葉区の社会増加数は平成18年から勢いが落ちています。理由としては都筑区でのグリーンライン開業の影響もあるのでしょうが、宮前区、中原区での社会増加数が増えた影響も相当にありそうです。宮前区は青葉区の隣で、田園都市線で1つ渋谷側になります。中原区は武蔵小杉ですね。

平成20~22年の港北区の社会増加数の減少も、都筑区グリーンライン開業の影響がありそうですが、それとともに隣接する中原区での社会増加数が増加して需要を取られたことも一因としてあるのかもしれません。

中原区の社会増加数は平成22~24年に一度落ちていますね。平成23年には東日本大震災がありましたが、平成23、24年はその影響なのか、中原区だけ極端に落ち込んでいます。地震対策として免震構造や制震構造が採用され、安全がうたわれているタワーマンションですが、東日本大震災のあとは一時的に需要が落ちたのかもしれません。平成25年からは元の勢いを取り戻していますが、平成25年は東横線副都心線直通が始まった年ですね。ちなみに横須賀線武蔵小杉駅開業は平成22年になります。

都筑区は平成25年から社会増加数が弱くなっていますが、見事に中原区と強弱が入れ替わる形になっています。港北区東横線副都心線直通をきっかけに勢いを取り戻し、需要を奪い返している影響もあるのかもしれません。ただ、平成27、28年の都筑区の社会増加数は、前回記事のとおり傾斜マンション問題で余計な転出があるはずなので、実態としてはもっと増加していると思います。

こうしてみると、この10年余りの間に中原区が台頭してきたことで周辺エリアに及ぼしている影響は大きそうですね。




おしまい

中区、港南区、保土ヶ谷区、旭区の人口動態、都筑区の昨年の転出超過

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つづき


あと気になったところ・・・


中区・・・社会増加数は比較的大きくプラスで推移していますが、自然増加数はずっとマイナスです。南区も似ていますね。中区、南区は「this is 横浜」といった感じの昔からのエリアですが、それだけご高齢の住民が多いということなんでしょうかね。


港南区・・・社会増加数がこの10年余り継続してマイナスです。自然増加数も平成23年からマイナスとなりました。平成18年から見ると自然増加数の減少幅は1113人です。中区の減少幅は320人、南区は473人です。人口規模を考慮しても、港南区の減少幅は大きく感じますね。やはり社会増加数が弱いと、相応に若い世帯の転入が少なく、出生数減少→自然増加数減少という傾向がありそうです。


社会増加数の多い鶴見区神奈川区を見ると、平成18年からの自然増加数の減少幅はそれぞれ430人、198人と人口の割に少なく、西区にいたっては41人増加しています。


保土ヶ谷区・・・実は昨年の社会増加数が横浜市で1番多かったんですね。1928人!もの転入超過。調べてみたら、シティテラス横浜和田町という373戸の大型マンションの供給があったようで。80平米で4000万円台はお手頃感ありますね。駅から結構な坂がありそうですが、一応徒歩5分6分だとか。家族世帯に人気だったことが想像できますが、私も経験者ですが、ベビーカーを利用していると坂はきついです。でもそういうデメリットを考慮してもなお割安感があれば良い買い物ということですね。


旭区・・・平成23年から人口減少傾向と言っていいでしょうね。自然増加数のマイナスが年々大きくなってきています。が、来年、二俣川にグレーシアタワー二俣川という421戸ものタワマンができるそうで。昨年の保土ヶ谷区のようにドンと大幅な人口増加があるのかもしれません。相鉄線によるJR直通線と東急直通線の開通を控えていますが、旭区は西谷以西の駅を複数抱えていますから、今後沿線開発なども合わせて恩恵が期待できたりするのでしょうか。二俣川のタワマンはそういうことなんでしょうね。


上の表をパッと見ると、市営地下鉄グリーンラインが開通した平成20年前後には沿線の港北ニュータウン都筑区の社会増加数が増えていますし、東横線副都心線の直通が始まった平成25年前後には沿線の港北区の社会増加数が増えていますね。やはり鉄道の持っている影響力は大きいということでしょうか。


都筑区・・・港北ニュータウン都筑区です。平成6年に区として発足して以来、継続した開発によって人口を増加させてきました。区の発足まで遡って調べてみたら、平成7年から平成12年の社会増加数は毎年5000人を超えていて、それ以降もだいたい2000~3000人を上回って推移し、グリーンライン開通の平成20年にふたたび5000人を超えてそれをピークに落ち着きつつあるように見えますね。特に平成25年からは社会増加数の増加幅が大きく減少し、昨年は転出超過となっています。ちょっと急な感じがしますが、なぜなんでしょう。理由として思い当たるのはニュースなどでも取り上げられていた傾斜マンション問題ですね。昨年、全4棟705戸の建て替えが決まったようですが、こちらにお住まいになられていた方々が転出された影響が大きいのだと思います。マンションのあった池辺町の人口が2年前と比べて2000人ほど減少しているのでやはりその影響でしょう。転出先がまた都筑区内であれば社会増加数には影響ないですが、区外であれば社会増加数にはマイナス。どれだけの人が区内に留まり、区外へ転出されたかは分かりません。なので、ここ2年ほどの社会増加数は参考になりませんね。


ただ、平成25年26年に増加幅が急に減少しているのは気になります。平成25年は東横線副都心線直通を開始した年です。その年の港北区は2727人と都筑区とは対照的に社会増加数を大きく増やしています。こういうのって関係ありませんかね?じゃあ平成20年に都筑区グリーンラインが開通したときはどうだったか?都筑区の社会増加数が5000人を超えた年ですが、港北区は885人と急に減少しています。港北区とは反対側で都筑区に接する青葉区を見ると、平成19年20年はやはり社会増加数は減少していて転出超過となっています。


鉄道の開通など利便性が向上する(人気が高まる)イベントをきっかけにして、その沿線地域では開発が活発化し、マンションや戸建ての供給が増え、人口が流入する。一方、その隣接地域では需要を奪われ、転入数が減少し、社会増加数が減少する。または直接的に、こっちからあっちへという転出が増えて、社会増加数が減少するということもあるのかも知れません。どこかで増えれば、どこかで減る。これからはますます郊外に与えられる人口のパイが小さくなってきますから、そうした動きがはっきりとしてくるような気がします。





つづく

横浜市18区 行政区別の人口動態推移

横浜市のサイトで行政区別の平成18年から平成28年までの人口動態を調べてみました。


人口増加数というのは社会増加数と自然増加数の合計で表されるんですね。

社会増加数というのは転入数から転出数を引いたもので、自然増加数というのは出生数から死亡数を引いたもの。

つまり

人口増加数=社会増加数+自然増加数

社会増加数=転入数-転出数

自然増加数=出生数-死亡数

ということです。

社会増加数がプラスであれば転入超過、マイナスであれば転出超過。

で、このような人口の動きを人口動態と言うそうです。


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継続的に人口が増加しているのは、鶴見区神奈川区、西区、中区、港北区緑区青葉区都筑区、あと戸塚区もですかね。

やはり地理的に東京都心に近い側に位置している行政区が多いですね。戸塚区は都心から離れた側に位置しますが、区内をJR東海道線横須賀線が貫いており、都心までの所要時間はその距離の割に短いです。西区、中区は横浜市の中心部、都筑区ニュータウンという色合いも強いです。

鶴見区神奈川区、西区、中区の人口増加は社会増加に支えられ、港北区緑区青葉区都筑区、戸塚区の人口増加は、自然増加の割合も大きいですね。青葉区などはこの10年間の社会増加数の合計は1140人でしかなく、ほとんどが自然増加です。

自然増加数は、世の中全体の少子高齢化の進行を受けて、10年前に比べれば、ほぼどの区も減少しています。ただ、傾向として社会増加数が大きくプラスで推移してきたところは減少幅が小さいようにも見えますね。社会増加数が多いということは、相応にこれから子供を産む若い世帯も多く流入しているということで出生数の減り方が緩やかなのかもしれません。


ちなみに横浜市全体の人口動態はこのような感じになっています。


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市内18区のうち、既に11区で自然増加数がマイナスとなっていますが、昨年は戦後初めて横浜市として自然増加数がマイナスとなったそうです。

自然増加数は年々確実に減少しており、今後はそのマイナス幅が社会増加数を上回るようになると、横浜市も人口減少に移っていくということですね。

そうならないように引き続き、鶴見区港北区あたりを中心に大規模マンションをばんばん建てて、社会増加数を稼いでもらって・・・・・

という発想も、もはやなんだか違うような?

今後はますます、限られたパイの奪い合い、需要の食い合いにしかなっていかないような気がします。どこかで増えれば、どこかで減り、市全体として減少に向かっていく流れは変わらないのかな。



つづく

金沢区は人口減少、青葉区は人口増加、西区はもうすぐ10万人

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つづき


金沢区・・・横浜市の南端です。この5年で3.3%の人口減少、10年くらい前から減り始めていますね。金沢八景駅から横浜駅まで京急線で20分ちょっと。品川駅まで50分前後。東京駅までは1時間。そこまで通勤に不利な印象はないですが、なぜなんでしょうね。町別に見ると、瀬戸や釜利谷東2丁目で200人近く増えていますが、このへんは金沢文庫金沢八景の駅前なのでマンションができた影響でしょうか。大道2丁目は駅から離れていますが、戸建の開発分譲でもあったのか180人ほど増え、富岡東5丁目も160人ほど増えていますが、こちらはやはり京急富岡の駅前ですね。他にもところどころ人の増えている町がありますが、やはり区内全般で減少しています。金沢区八景島シーパラダイスがあり、今や潮干狩りでとても有名になった海の公園、また山側には金沢動物園やローラー滑り台のある金沢自然公園があったりと、自然環境にとても恵まれています。特に子育て世代にはとても魅力的に思えるのですけどね。都心や横浜までの所要時間は藤沢と同じくらいで、海を抱えている点も似ています。が、藤沢市では人口が増加していて、かたや金沢区は人口が減少しています。なぜここまで違うのか。全国的に有名な湘南ブランドとの差でしょうか。藤沢市横浜市の小児医療費助成の手厚さの差でしょうか。金沢区には釜利谷南3丁目4丁目など個人的に好きな住宅地があります。区画が広く、道路も広く整備され、山の緑が近くに感じられる高台の住宅地です。金沢文庫駅からバスで10分足らずですが、4丁目は少し減りましたね。横浜市全域にわたって言えることですが、駅まで遠かったり、アップダウンがきつい既存の住宅地は人が減っている印象ですね。


金沢区の北側で接する磯子区が2.7%も増加しているのが意外でなぜかなと思って調べてみるとプリンスホテル跡地にブリリアシティ横浜磯子という1230戸の大規模マンションができていたようで。これだけで3000~4000人くらい増えているんでしょうね。



青葉区・・・この5年で1.2%の人口増加。青葉区横浜市でも屈指の住環境、子供の教育環境の良さを誇り、市内で2番目に人口が多い行政区です。最も人口が多いのが港北区で、3番目に多いのが鶴見区です。港北区鶴見区は、工業系地域から工場が次々と撤退し、その跡地に大規模マンションが順々に建てられ人口を大きく増やしていますが、青葉区は元から住宅地として開発されているのでそのあたり事情が違いますね。この5年の間に建てられたマンションを見ても、それほど大きなものはなかったようです。


お隣の宮前区は3.3%と青葉区よりも人口を増やしていますが、こちらは学校跡地、社宅跡地が出てきて400戸クラスの大規模マンションが相次ぎました。その影響が大きいのでしょう。あとは宮前区のほうが渋谷寄りということで昨今の都心回帰傾向もあるのでしょうか。新築戸建てなどを見てると、宮前区は駅から離れると3000万円台~4000万円前半の物件が結構ありますね。駅からバス10分15分でもトータルの通勤時間で1時間ほどであれば、たしかにお得感はあるような気もしますがどうなんでしょう。建売りをやってる人に聞いた話では「今は安くないと売れない」とか「安い物件から売れていく」らしいですが、そういう部分もあるんでしょうかね。


青葉区に話を戻すと、今度たまプラーザでドレッセWISEたまプラーザという大きなマンション(278戸)が来年の完成になるようです。300戸に近い大きなマンションは青葉区では久しぶりではないかと思いますが、駅に近いということもあり、価格はだいぶ高いみたいですね。こういう大きな物件に区外から子育て家族世帯がたくさん入居すれば人口がドンと増えるのでしょうが、あまり価格が高いとどうなんでしょう。区内に住む裕福なご年配夫婦の住み替えが多くなるのでしょうか。ご年配の方々の住み替えで空いた一戸建てに、若い家族がどんどん入ってくれば良いですが、青葉区も駅から徒歩15分以上離れているエリアが多く、やはりアップダウンがあるところですからね。その分、安ければいいのでしょうが、良好な住環境を保つため最低敷地面積が125平米以上と定められた場所が多かったり、青葉区というブランド感も手伝っているのか、都心までの所要時間の割にはやや高い物件が多い印象です。


東京都心の大手町、丸の内エリアに勤務している場合、たまプラーザ駅から大手町駅までの朝の所要時間は田園都市線でだいたい50分弱ですが、たとえば、JR東海道線沿線を調べてみると、戸塚駅から東京駅までの所要時間は45分を切ったりします。でも物件価格は戸塚のほうが断然安いですね。さらには青葉台駅から大手町駅までと、藤沢駅から東京駅までがだいたい1時間弱と同じくらいの所要時間ですが、やはり藤沢周辺のほうが安いです。共稼ぎで時間に余裕のない家庭が増え、また、全体的に不動産が値上がりして手が届きにくくなっている状況下、通勤時間と価格のバランスをシビアに見極め、また手が届く範囲でということで、今後は戸塚や藤沢、大船あたりが若い方を中心に見直されてきそうな気がします。というか、藤沢はすでに人気と言っていいのかもしれませんね。小児医療費助成のお得感や湘南の海の魅力を考えれば、戸塚や大船をこえて藤沢まで行ってしまっても、と考える人は結構いるのではないでしょうか。


アベノミクス以降、不動産価格は大きく上昇しましたが、収入が大きく上昇したという話はあまり聞きません。不動産の一次取得者である若い人が割を食っている時代ですね。アベノミクス前からすでに不動産を所有していた人は、買い替えに際して、自身の所有する不動産も値上がりしているわけで、前の時代に比べて不利になることはないですから。ローンを組める期間が5年短くなったことくらいですね。



西区・・・5年前に比べて3%の人口増加。みなとみらい地区には断続的にタワーマンションが建てられてきましたが、つい最近も新たに2つ(500戸以上)できました。西区の人口はもう少しで10万人に到達です。みなとみらいは空き地や暫定施設が多かった印象ですが、近年は景気の手伝いもあって企業誘致が上手く行き始めたのか、次々と企業が進出を決めています。みなとみらいの就業人口が増えると、横浜市内の住宅需要が増えるでしょうから、かつて都心通勤者のベッドタウンとして開発され、今は人口を減らしているエリアにとっても多少なりともプラスに働きそうです。横浜市の郊外住宅地に住み、みなとみらいまで30分くらいで通勤。どうでしょうかね。



きりがないのでこのへんで・・・


東京23区、川崎市は人口増加の勢いが凄まじいです。横浜市では東京駅まで30分の鶴見駅を擁する鶴見区が人口増加率トップ、次いで港北区神奈川区、西区。まさに東京一極集中、都心側への回帰といった現象がそのまま見て取れます。背景には職住近接志向の高まりがあるのでしょう。単に大規模マンションをばんばん建てることができるエリア(工場跡地などを抱えているエリア)の人口が増えているという見方もあると思いますが、それも需要があってのことですからね。

政令市以外では、藤沢市、海老名市、大和市茅ヶ崎市の人口増加率が高いです。都心通勤圏としては遠くなりますが、小児医療費助成が手厚かったり、不動産価格が安かったり、湘南の海が近かったり、JR東海道線が使えれば、意外と都心までの所要時間は短かったりと、今どきふうに言うとコスパが高いとでも言うのでしょうかね。

お金をかけられる人は職住近接志向、お金をかけられない(かけたくない)人はコスパ志向、ほかにも海で遊ぶのが好きだから海の近くに、のような趣味志向というのもありそうです。住む場所を選ぶときに、なんとなくバランスを考えて・・・ではなく、優先したいことをはっきりさせてそっちに尖っていく人が増えているような気もしますね。メリットとデメリットがあるとき、デメリットがあるからやめておこう、ではなく、デメリットには目をつむり、メリットを取りに行こうというような。

それにしても東京23区や川崎市への極端な人の流れ込みはいつまで続くのでしょうか。不謹慎ですが、人が集まるだけ集まったところで首都直下地震なんて起きなきゃいいですが。でも本当にそうですよね、震災など考えるとあまり人口が集中しすぎるのはリスクも大きい気がします。横浜市は2019年に人口のピークを予想しているみたいですが、今年来年がピークでもおかしくないかもしれません。より都心に近い川崎市の人口増加が想定を上回っている状況ですからね。まあ遅かれ早かれ東京近郊もみな人口減少社会の波に飲み込まれていくわけですが、これから世の中はどう変わっていくんでしょう。インフラの問題がありますから、駅周辺の市街地に居住を誘導していくような政策がいずれは始まったりするのかな・・・?


おしまい